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2018/06/20 00:00

和名:燐灰石(りんかいせき)
色:ピンク、紫、イエロー、ブルーなど
モース硬度:5
主な産地:ブラジル、ミャンマー、スリランカ

鉱物グループ:リン酸塩鉱物

 

アパタイトの語源

ギリシャ語で「トリック」「ごまかし」という意味を持つ「アパタイト」。その結晶が他の色々な鉱物に混ざって発見され、他の鉱物と見誤ることが多かったことからこの名が付けられました。
発色の良いアパタイトはダイアモンドよりも高い価格で取引される「パライバトルマリン」に似た色をしていますし、ブルー系はアクアマリンやサファイア、グリーン系のものはグリーントルマリンやエメラルドに似た色のものも産出されます。


アパタイトの特徴

アパタイトは、リンとカルシウムを主成分とする鉱物グループの名称で、宝飾用に使用されているものは「フルオロアパタイト」(フッ素燐灰石)と呼ばれる鉱物です。成分の違いにより様々な種類があり、人工の骨や歯科医療に使われているものは「ハイドロシキアパタイト」という同じ種類のもの。歯磨き粉の成分や、キシリトールガムの成分として使われていたりもします。

産地としてはミャンマー、スリランカ、ブラジル、マダガスカルなどが有名ですが、産地によって色味の美しさなども様々です。スペイン産の黄緑色のものは「アスパラガスストーン」緑色のものは「モロキサイト」などと呼ばれ、高価に取引されています。
安く出回っている鮮やかな色のアパタイトは加熱処理や樹脂浸透などの加工がされているものがほとんどです。(ただ現在宝石のほとんどは、染色、発色を良くし色を安定させるための加熱処理や放射線処理、強度を保つための樹脂充填など何らかの加工がされています。)


アパタイトに関する注意

発色の美しい色が魅力のアパタイトですが、宝石としては硬度が低く傷つきやすいため、コレクション用として扱われることが多いです。
アクセサリーとしての扱いには注意が必要です。また、酸にも弱いため、レモンや酢などにはさらさないようにしてください。汚れてしまった場合は水やアルコールですすいでください。



アパタイトのアクセサリー

アパタイトは、ハンマーで割ったようなラフカットの状態が多く出回っています。鮮やかなブルーと荒くカットされた様子は、覗き込むと北極の氷河の切れ目を覗き込んでいるかのような美しさです。
石を見た方からは、「ラピュタの飛行石だ!」と言われる方も。実際の飛行石はもっと色が濃い青ですが、鮮やかでどこか懐かしさを感じさせるようなブルーが、人のファンタジー心を刺激するのかも知れません。

アクセサリーとして普通に使用する分には問題ない程度ではありますが、割れやすく脆い性質があるため、リングやブレスレットなどはぶつけないよう注意して使用する必要があります。