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2018/06/20 00:00

和名:黄鉄鉱(おうてっこう)
色:鈍い金色、銀色
モース硬度:6-6.5
主な産地:スペイン・中国・ペルー・ボリビアなど世界各国
鉱物グループ:硫化鉱物

石言葉:恋のたわむれ、危険からの回避、意識の高揚

 
 
クォーツインパイライト / レインボーパイライト

パイライトの特徴

人工的に作られたかのような五角形や立方体の結晶、金属のような質感が特徴のパイライト。火山活動が活発な場所で鉄と硫黄が結びついて、このような金属的な結晶が生成されます。そのユニークな形状から、カットして宝飾品として使われる他、結晶の形をそのまま観賞用として楽しむ方も多い鉱物です。

現在では観賞用として人気のあるパイライトですが、18世紀から20世紀初頭のヴィクトリア朝時代、ダイヤモンドの代用である「マルカジット」というジュエリーとして大ブームとなりました。薄暗い夜会でも目を引く独特の輝きと、凝った作りでロンドンを中心に何度も流行し、今でもアンティークジュエリーとして人気があります。

パイライトの名前の由来

語源はギリシャ語で火や火花を意味する「pyr」から来ています。ハンマーなどで叩くと火花が飛び散ることからこの名前が付けられ、火打ち石としても用いられました。
また鈍い金色・銀色・真鍮のような色合いから、ゴールドと間違われることもあったため、「Fool's Gold」(愚か者の金)というニックネームも付いています。日本では、玄関などに置いておくと金運を呼び寄せるとも言われています。

パイライトと他の鉱物

レインボーパイライト
パイライトの表面が、水分による酸化で虹色に変化することがあります。これはレインボーパイライトという名で、イリデッセントパイライトとも呼ばれます。ロシア産が有名ですが、中国などでも産出されます。

ラピスラズリ
青色の鉱物が集まってできるラピスラズリに入る金色の斑点は、パイライトの結晶です。群青の鉱物の中に金色が散らばることで、夜空に広がる星のようにも見えます。ラピスラズリとして一番評価が高いのは群青一色のものですが、美しい星空のようにバランス良くパイライトが入った石も大変人気があります。

パイライトアンモナイト
少し珍しいものとしては、パイライト化したアンモナイトが知られています。アンモナイトの化石に、酸化水と微生物の働きによってパイライトがしみ込んで結晶化したもので、まさにアンモナイトの形をしたパイライト。観賞用としてコレクターに人気です。

パイライトのアクセサリーについて

宝飾用としては現在2軍3軍扱いのパイライトですが、独特の金属光沢と結晶の形が魅力的な石です。比較的安価に、安定的に手に入ることも使いやすい理由ですが、どんな石にも合わせられユニークな存在感があります。
アクセサリーとしてはきらきらした綺麗めな雰囲気ではなく、シックでプリミティブ、どこか武骨な原石らしい質感が、大人の女性らしさを引き立ててくれると思います。

取り扱いとしては、汗や水分で変色するおそれがあるため、気になる場合は使用後汚れをふき取るようにしましょう。