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2018/06/20 00:00

和名:菱マンガン鉱
色:バラ色
モース硬度:4
主な産地:中南米、アメリカ・コロラド州、南アフリカ、日本、ルーマニア

鉱物グループ:炭酸塩鉱物

 

インカローズの語源・特徴

インカ帝国が栄えていたアンデス山脈から産出され、バラを思わせる美しい色と模様が入ることから「インカのバラ」と呼ばれる「インカローズ」。正式な名前は「ロードクロサイト」という名前で、ギリシャ語で「バラ色の石」を意味します。
層状に成長する原石を輪切りにすると、白から濃淡のピンク色が折り重なりまさに薔薇の花のような模様が見られます。

インカローズの歴史

インカローズは銀鉱山や銅鉱山で副産物として産出するため、世界中で発見されており、13世紀、インカ帝国時代の銀鉱山跡から大量に見つかっています。宝飾用としては18世紀にルーマニアで発見されたとされていますが、人気になったのは第二次世界大戦後のアメリカで、コレクターの間で高値で取引されるようになりました。
日本でも北海道や青森県などで、乳白色に近いものが産出されています。産地によって結晶の形状や色味が違うのも特徴です。アメリカのスイートホーム鉱山で産出される原石は不純物が少なく濃く鮮やかな深紅色で有名です。研磨するとバラ状の模様が現れるのは、中南米から産出する鍾乳石状のインカローズです。

インカローズの特徴

ひし形の結晶が折り重なるように成長し、鉄分を多く含むほど赤色が強くなり高価に取引されます。「ロードナイト」と名前も色味も良く似ていますが別の鉱物で、ロードナイトにある黒い模様がインカローズにはないことが特徴です。
酸化すると光沢や色味を失うので酸には注意が必要です。また、硬度が低く結晶の折り重なった面に沿って割れやすいため、強い衝撃などには注意してください。
紫外線で変色しやすいため、長時間直射日光にはさらさないようにしましょう。

インカローズのアクセサリーについて

アクセサリーとしては、小さな粒や丸玉として出回ることが多いインカローズ。硬度が低いため、ぷっくりとしたカボッション型のカットがほとんどで、面を出したカットの石は多くありません。半透明のやわらかいピンク色は、身に着けるだけで可愛らしい雰囲気をプラスしてくれます。派手すぎず落ち着いた色味なので、大人の女性にちょうど良い甘さの天然石です。