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2018/06/20 00:00

和名:翠玉(すいぎょく)、緑玉(りょくぎょく)
色:緑色、エメラルドグリーン
モース硬度:7.5-8
主な産地:コロンビア、ブラジル、ザンビア、ジンバブエ、マダガスカル、パキスタンなど
鉱物グループ:ベリル(緑柱石)

石言葉:幸運・幸福・希望・安定

 
 

エメラルドの語源と歴史

サンスクリット語で「緑色の石」を意味する言葉が、様々な地域の言語を経由して変化していくうちに「エメラルド」という名になったと言われています。

エメラルドの歴史は古く、古来より宝石や薬として愛されてきました。紀元前4000年頃には古代バビロニア帝国でビーナスに捧げる石として扱われており、ギリシャやローマでもその影響が見られます。古代エジプトのクレオパトラも、自らエメラルドの鉱山を所有し、宝飾用としてだけでなく粉末を化粧用の粉として使用していました。
サンスクリットの医術では、解毒・下剤・消化を助ける薬として使用され、ローマ帝国のシーザーも治療のためにたくさん集めたと言われています。また、エメラルドには未来を予言する力や、女性の貞操を守り夫の愛を保つ力があるという言い伝えもあります。

古くから親しまれてきたエメラルドですが、多く出回るようになったのは16世紀半ばにアメリカ大陸が発見されてからです。最大の産出国である南米では、マヤ・アステカなどの文明によりエメラルドは聖なる石として大切にされていました。スペイン人による侵略とともにエメラルドや鉱山も奪われ、市場に流通するようになりました。

エメラルドの特徴

エメラルドはアクアマリンと同じベリルという鉱物です。クロムやバナジウムなどの物質が混入して鮮やかな緑色に発色しているもののみをエメラルドと呼び、黄緑色や青みがかったものはヘリオドールやグリーンベリルなどと呼ばれます。

傷が少なく、明るく濃い緑色のものが価値が高く、高価に取引されています。硬度は高いのですが、内部に天然のクラック(傷)が多く衝撃にはとても弱いという特徴があります。西洋には「傷のないエメラルドを得ることは、欠点のない人間を探すよりも難しい」と言うことわざがあるほどです。
傷のない良質な石はほとんど産出されないため、傷が多くても内部にオイルや樹脂を充填して傷を隠し、強度を高めているものがほとんどです。処理が下手な場合、時間の経過や超音波洗浄などにより充填物が抜けてしまい、傷が現れてしまうことも。
エメラルドは、エメラルドカットと呼ばれる八角形(角を取った四角形)のカットがされることが多くあります。これはダイアモンドのように輝きが強くなく、美しい緑色を広く見せるためという理由と、欠けやすい角の部分を少なくするためです。石留めの際、少しの衝撃でも割れてしまうことがあるため、職人にとっては厄介な石です。

エメラルドのアクセサリーについて

エメラルドはアクセサリーとして使用するには、いくつか注意しなくてはいけない点があります。
・水に付けない
・乾燥する場所に置いておかない
・強い衝撃を与えない
内部の傷が多く衝撃に弱いという点、その傷を隠し硬度を増すためにオイル充填してある点から、以上のような注意が必要です。

ぶつけやすいリングやブレスなどとして使用する場合は、衝撃を与えないよう注意して使用する必要があります。
通常ピアスやネックレスとして使用している分には、強度の心配は要りません。
天然石ならではの深く美しいエメラルドグリーンは、小さくても強い存在感を放ちます。