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2018/06/20 00:00

和名:曹灰長石
色:グレー、黒、緑など。青や虹色の光(ラブラドレッセンス)が浮かぶ
モース硬度:6-6.5
主な産地:マダガスカル、カナダ、フィンランド、アメリカ
鉱物グループ:長石(フェルドスパー)

石言葉:思慕

 
 

ラブラドライトの語源

カナダのラブラドル半島で発見されたことから、その名が付きました。ベースカラーが黒っぽく、虹色の光(スペクトル)が強く出るものは「スペクトロライト」という名前でも呼ばれています。独特の輝きは「ラブラドレッセンス」と呼ばれ、蝶の羽のような美しい輝きが愛されています。

ラブラドライトの特徴

一見地味な色合いですが、光の加減や角度によってグリーン・ゴールド・ブルーなど様々な色合いが浮かびます。薄い層が何層も折り重なるように結晶が成長することによって、その層の境界光が分解され虹色のスペクトルが生み出されるのです。
地の色はグレーや黒の他、白・透明・黄色・緑に近い飴色など様々で、石の外見や光の反射の仕方は個体によって大きく違い、ひとつとして同じものはありません。

ラブラドライトの仲間

ラブラドライトは「長石」の仲間ですが、長石の中には様々な分類があり、ムーンストーンやサンストーン、アマゾナイトなどもその仲間です。カリウムやナトリウム、カルシウムなど、どのような成分が入るかにより、見た目も全く違う石になります。

レインボームーンストーンという名で流通している、透明または半透明の石の中に虹色が浮かぶ天然石がありますが、鉱物的にはムーンストーンではなくラブラドライトです。ホワイトラブラドとも呼ばれています。
レインボームーンストーンととても良く似たブルームーンストーンや、ロイヤルブルームーンストーンという石もありますが、こちらもムーンストーンではなく長石のペリステライトという別の鉱物であることがほとんど。

レインボームーンストーンとロイヤルブルームーンストーンは見分けができないものも多いのですが、ロイヤルブルームーンストーンが青色の光、レインボームーンストーンは虹色の光を放ちます。
ラブラドライトもムーンストーンもペリステライトも同じ長石の仲間です。鉱物の種類は正確には鑑定してみないと分かりませんが、和紛らわしい名前で出回っていることも多いのが事実です。

ラブラドライトのアクセサリー

ラブラドライトはひとつひとつ表情や光り方が違い、それぞれの石の個性を写真でお伝えするのはとても難しい石です。石の色やラブラドレッセンスは見る角度や明かりによってかなり違ってくるため、なるべく色々な角度から撮影して実物に近い表情をお伝えするように心がけています。
特に大きくて虹色が強く出る美しいものは、見かけたら積極的に仕入れることにしていますが数が限られており、天然石との出会いは本当に一期一会だなと思わされます。

落ち着いたベースの色味とそこに神秘的に浮かぶ青・緑・虹色は、まさにファッションとして地球が生み出した天然石の不思議を楽しめる石ではないでしょうか。アクセサリーとして身に着けても、角度によってゆらゆら光る様子はとてもミステリアスで、しっとりとした大人の魅力を引き出してくれます。